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「大阪めっき・アルマイトナビ」は、大阪および近郊の加工業者様のために
表面処理に関する技術情報をまとめた専門技術Webサイトです。

無電解ニッケルめっきと電気ニッケルめっきの違い

よく比較される無電解ニッケルめっきと電気ニッケルめっきですが、両者は似ているようで、全く異なる表面処理になります。特に購買・調達担当者様にぜひ知っておいていただきたいそれぞれの特徴・メリットについて、表面処理のプロが解説いたします。

ぜひ最後までご覧ください。

無電解ニッケルめっきとは?

無電解ニッケルめっきとは?|大阪めっき・アルマイトナビ

無電解ニッケルめっきは、外部からの電気エネルギーを一切使用せず、めっき液に含まれる還元剤の化学反応を利用して金属被膜を析出させる表面処理技術です。

現場の技術者の間ではカニゼンめっきという呼称でも親しまれており、その最大の特徴は、複雑な形状をした部品であっても均一な膜厚を確保できる「つきまわり性」の良さにあります。電気を使わないため、形状による電流密度のばらつきを気にする必要がなく、微細な穴の内面や奥まった凹凸部、鋭利な角部などにも設計通りの厚みでニッケル層を形成することが可能です。

また、析出する被膜はニッケルとリンの合金(Ni-P)であることが一般的で、このリン含有量によって耐食性や硬度、非磁性といった物理的特性を細かくコントロールできる点も大きな強みと言えます。特に中リンや高リンタイプは、電気ニッケルめっきと比較しても優れた耐食性を発揮し、過酷な腐食環境下で使用される精密機械部品や半導体製造装置、自動車部品などの重要な部材に広く採用されています。析出直後の硬度も高いですが、熱処理を加えることでさらに硬化させることも可能であり、耐摩耗性を重視する摺動部品の品質向上には欠かせないプロセスとして確立されています。

無電解ニッケルめっき(カニゼンめっき)の特徴・原理や用途、メリット・デメリットなどについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

>>無電解ニッケルめっきとは?特徴・用途・メリットを解説

電気ニッケルめっきとは?

電気ニッケルめっきとは?|大阪めっき・アルマイトナビ

電気ニッケルめっきは、ニッケル塩を含むめっき槽の中に製品を浸漬し、外部電源から直流電流を流すことで電気化学的にニッケルを析出させる伝統的かつ代表的な表面処理手法です。

この手法の最大の利点は、成膜スピードが非常に速く、短時間で厚膜を形成できるため、大量生産において極めて高いコストパフォーマンスを発揮する点にあります。一般的にはワット浴やスルファミン酸浴といっためっき液が用いられ、光沢剤を添加することで鏡面のような美しい外観を得ることも、あえて光沢を抑えた半光沢や無光沢の被膜を作ることも可能です。

また、電気ニッケルめっきの被膜は純ニッケルに近いため、電気伝導性や熱伝導性に優れており、電子部品の通電箇所やはんだ付け性の向上を目的とした下地処理としても非常に重宝されています。ただし、電気の特性上、電流が集中しやすい角部や凸部には厚く付き、逆に奥まった凹部には付きにくいという性質があるため、精密な寸法公差が求められる部品や複雑な形状の製品を扱う際には、治具の工夫や電流密度の緻密な調整が必要となります。装飾的な価値と機能的な実用性を両立させつつ、コストを抑制したい場合に適した、製造現場におけるスタンダードな選択肢と言えます。

無電解ニッケルめっきと電気ニッケルめっきの違い

無電解ニッケルめっきと電気ニッケルめっきの違い|大阪めっき・アルマイトナビ

これら2つのめっき手法を比較する上で、購買・調達の皆様が最も注目すべき相違点は、膜厚の均一性とコスト、そして物理的特性の3点に集約されます。

まず膜厚の精度に関しては、無電解ニッケルめっきが圧倒的に優位です。電気ニッケルめっきでは避けることができない「角厚まり」や「中心部の膜厚不足」といった問題が無電解では発生しないため、ミクロン単位での寸法管理が必要な精密部品や、ボルトのネジ部などの形状精度を維持しなければならないケースでは、無電解を選択するのが定石となります。

一方で、加工コストの面では電気ニッケルめっきに軍配が上がります。無電解めっきは反応が進むにつれて液中の成分バランスが崩れやすく、高価な薬品の補給や液の寿命管理に多大なコストがかかるため、単純な形状の部品や外観重視の部品であれば、電気ニッケルめっきの方が圧倒的に安価に仕上げることができます。また、被膜の硬度や耐食性といったスペック面においても明確な差があります。無電解ニッケルはリンを含むため硬く、かつピンホールが少ないため耐食性に優れますが、電気ニッケルは純度が高く延展性に富むため、後工程で曲げ加工やプレス加工を伴う部品に適しています。

このように、それぞれの工法は一長一短の関係にあり、どちらが優れているかではなく、製品に求められる最終的な仕様に合わせて使い分けることが重要です。

購買・調達担当者が押さえておきたい「めっき選定のポイント」

購買・調達担当者が押さえておきたい「めっき選定のポイント」|大阪めっき・アルマイトナビ

最適なめっき会社を選定し、適切なめっき仕様を決定するためには、単に価格だけで判断するのではなく、その部品が「どこで、どのように、どのくらいの期間使われるのか」という用途・使用条件を設計部門や発注者(メーカー)と共有することが肝要です。

例えば、厳しい塩害環境に晒される場合は、初期コストが高くなったとしても耐食性に優れる無電解ニッケルめっきを指定することで、結果的に製品の寿命を延ばし、メンテナンスコストを抑えることにつながります。逆に、目に見える箇所の装飾性や、単なる錆止めとしての機能を大量の安価な部品に持たせたいのであれば、電気ニッケルめっきが最適な解となります。

また、調達上のリスク管理として、図面に「ニッケルめっき」とだけ記載されている場合は注意が必要です。現場での解釈が分かれると、意図しない膜厚のばらつきによる組み付け不良や、耐食性不足による錆の発生といったトラブルを招く恐れがあります。図面には必ず「無電解」か「電気」かを明記し、必要であればリン含有量や光沢の有無、熱処理の要否まで踏み込んで指定することが、トラブル回避の鍵です。さらに、環境規制への対応も忘れてはなりません。近年はRoHS指令などの影響で、めっき液に含まれる添加剤の成分管理も厳格化しています。信頼できるめっき会社であれば、こうした規制への準拠証明やデータ開示にも迅速に対応できるはずですので、品質管理体制の確認も選定時の重要な指標として考慮すべきです。

当社の無電解ニッケルめっき・電気ニッケルめっき

当サイトを運営する株式会社旭鍍金工業所(大阪・八尾)は、無電解ニッケルめっき・電気ニッケルめっきをはじめとする様々な表面処理(めっき・アルマイト・電着塗装 他)を行っております。

無電解ニッケルめっきであれば最大3,000mm×1,100mm×350mmまで、電気ニッケルめっきは最大1,450×1,050×300サイズまでの大物に対応可能です。単品・小ロットから月産数万~200万個の量産まで請け負っており、大阪府内最速クラスの短納期で対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

無電解ニッケルめっきの事例

製缶架台

製缶架台に無電解ニッケルめっきを施しました。

前処理として、黒皮を綺麗に除去してからめっき処理を行っております。さらに、形状的にめっき液が残存してしまう可能性がある製品については、液抜き穴のご相談をさせていただく場合がございます。

プレート

1,000mm角の装置部品のプレートに無電解ニッケルめっきを施しました。作業中にキズがつかないように注意しつつ、且つ脱脂不良が無いように前処理を工夫しております。

段付き大径ギヤ

本製品は寸法精度要求が厳しく、一般的な電気めっきですと膜厚のバラツキが生じやすいため、今回は均等な膜厚を特徴とする無電解ニッケルめっきを採用しました。歯溝や内面も含め緻密な膜厚管理を行い、変色防止など丁寧に後処理を行ったうえで納品いたしました。

電気ニッケルめっきの事例

高電圧銅端子へのニッケルめっき|大阪めっき・アルマイトナビ
高電圧銅端子

高電圧銅端子にニッケルめっきを施しました。端子ロッド棒のネジ切り部がめっきが付きづらいと同時に、膜厚管理が重要な部位になるため、注意してめっきを行っております。

精密板金筐体へのニッケルめっき|大阪めっき・アルマイトナビ
精密板金筐体

精密板金加工により製作された筐体にニッケルめっきを施しました。耐食性に加え、美観性も向上させるため、光沢剤を添加した光沢ニッケルめっきとしています。膜厚はお客様指定の約5μで管理しています。本製品の注意点として、タップを切っている箇所にめっき液が残る恐れがあるため、注意して水洗を行いました。

大阪めっきアルマイトナビ|株式会社旭鍍金工業所

投稿者プロフィール

旭鍍金工業所 小林
旭鍍金工業所 小林株式会社旭鍍金工業所 代表取締役
株式会社旭鍍金工業所は八尾市に工場を構え、メッキやアルマイトなどの各種表面処理を承っております。昭和22年の創業以来、各種表面処理にこだわり技術向上に努めてまいりました。
業務内容はニッケルめっき、装飾クロムめっき、3価クロムめっき、スズコバルトめっき、無電解ニッケルメッキ、硬質クロム、電着塗装、アルマイト、化成処理(サーテック650)、スズめっき、亜鉛めっき、3価ユニクロ、クロメートなど、表面処理全般にわたり、様々なニーズにお応えいたします。
スタッフ一同、皆様からのお問い合わせをお待ち申し上げております。