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「大阪めっき・アルマイトナビ」は、大阪および近郊の加工業者様のために
表面処理に関する技術情報をまとめた専門技術Webサイトです。
「保管していたスズめっき部品が黒く変色してしまった」
「表面に黄色っぽいシミのようなものが発生している」
スズめっきを施した部品において、このような変色トラブルに悩まされるケースは少なくありません。スズめっきは本来、耐食性やはんだ付け性に優れた表面処理ですが、加工工程や保管環境のちょっとした不備によって、酸化や硫化といった化学反応を引き起こしてしまいます。
この記事では、めっき加工業者の知見をもとに、スズめっきが黄色や黒に変色してしまう原因から、製品への悪影響、そして確実に防ぐための具体的な防止策までを徹底解説します。
スズめっきとは?
スズめっき(スズめっき)とは、製品の表面にスズ(Sn)の金属被膜を形成する電気めっき処理のことです。
古くから「ブリキ(鉄にスズめっきを施したもの)」として缶詰などに使われてきたように、人体への毒性が低く、安全性が非常に高い金属として知られています。
工業用途における最大の特徴は、「はんだ付け性(はんだ濡れ性)」が極めて優れている点です。
さらに、良好な電気伝導性、耐食性、潤滑性(金属自体の柔らかさ)も兼ね備えているため、電子部品の端子やコネクタ、自動車部品、各種プリント基板など、現代のモノづくりに欠かせない表面処理となっています。
このように非常に有用なスズめっきですが、実は「環境要因による変色が起きやすい」というデリケートな一面も持ち合わせています。
スズめっきとは?
変色トラブルは、「めっき加工時の不具合(加工側の要因)」と「納品後の保管方法(環境側の要因)」の大きく2つに分けられます。それぞれ見ていきましょう
めっき後の洗浄不足・中和不足
めっき工程における水洗いや中和処理が不十分だと、表面に変色を引き起こします。スズめっきの処理液(酸性浴・アルカリ浴など)の成分や中和剤が微量でも表面に残留していると、空気中の湿気と反応し、時間経過とともに酸化による黒変や黄ばみ、シミを発生させてしまいます。
乾燥不足による乾燥ジミ
水洗工程は適切に行われていても、その後の乾燥が不十分な場合、表面に残った水滴の跡がそのままシミや変色に繋がるケースがあります。これを防ぐためには、純水を用いた仕上げ洗浄と完全な乾燥工程が不可欠です。
梱包材からのアウトガスによる「硫化」
「納品時は綺麗だったのに、倉庫に保管していたら黒く変色した」という場合、梱包材が原因かもしれません。一般的な段ボールなどの梱包材からは、微量の硫黄分を含んだガス(アウトガス)が発生しています。この硫化ガスと錫が化学反応を起こすことで、表面が黒色などに変色する「硫化黒変」という現象を引き起こします。
下地金属(銅など)の拡散
素材(母材)が銅や黄銅(真鍮)の場合に起こりやすい現象です。長期間の保管や、熱が加わる環境下において、下地である銅成分がスズめっきの被膜を通り抜けて表面へ移動(拡散)してくることがあります。表面に到達した銅が酸化することで、変色を引き起こします。
スズめっきの変色が及ぼす製品への影響
スズめっきの変色は、単なる「見た目の悪化(外観不良)」で済まされる問題ではありません。機能面に以下のような悪影響を及ぼします。
はんだ付け性(はんだ濡れ性)の著しい低下
スズめっきの最大の強みである「はんだ付けのしやすさ」が失われます。これは電子部品や基板実装において最も深刻な問題です。表面に形成された酸化膜や硫化膜がはんだの密着を強力に阻害し、接合不良や歩留まりの低下を引き起こします。
接触抵抗の増大と通電不良
コネクタや端子などの電気接点部品に変色が発生すると、その部分の電気抵抗(接触抵抗)が増大します。導通不良による機器の誤作動や、抵抗増大による発熱の原因となるため、確実な変色対策が求められます。
変色以外にも気をつけたいスズめっきの弱点
変色対策とあわせて、スズめっき製品を扱う上で必ず知っておくべき2つの注意点があります。
ウィスカの発生
錫めっき表面から「ウィスカ」と呼ばれる針状の結晶が成長することがあります。これが電子回路内で伸びると、ショート(短絡)による故障原因となるため、下地めっき等の対策が必要です。
被膜が柔らかくキズつきやすい
錫めっき被膜は非常に柔らかい性質を持っています。梱包や輸送中、あるいは組み立ての際に部品同士が擦れると簡単にキズがつくため、緩衝材を入れるなど丁寧に扱う必要があります。
スズめっきの変色を防ぐ4つの防止策

変色を防ぐためには、めっき業者側の加工仕様の工夫と、ユーザー側の保管環境の徹底の両輪が必要です。
徹底した洗浄と「変色防止処理」の適用
まずは、めっき業者における純水洗浄と乾燥の徹底が大前提です。さらに効果的なのが、めっき直後に専用の「変色防止処理(防錆処理)」を施すことです。第三リン酸ソーダやホスホン酸系などの防錆剤で表面をごく薄くコーティングすることで、空気や水分、ガスとの接触を断ち、はんだ付け性を損なうことなく変色を長期間防止します。
下地めっきによる拡散防止
素材が銅や黄銅の場合、銅の拡散を防ぐために「下地ニッケルメッキ」を施すのが非常に有効です。素材とスズめっきの間にニッケルの層を挟むことで、ニッケルがバリア(障壁)として働き、銅成分が表面へ拡散するのを物理的にシャットアウトします。
保管環境の徹底と結露対策
保管場所は、高温多湿や腐食ガス・ミストが発生する環境を避けてください。特に梅雨時や冬場は、急激な温度変化による「結露」が原因で水分が付着し、一気に変色が進むことがあります。保管袋の中に除湿剤や脱酸素剤を入れるのも有効ですが、除湿剤自体からアウトガスが出ない製品を選ぶよう注意が必要です。
スズめっきの事例・実績

真鍮端子への光沢スズめっき
真鍮の端子部品に光沢スズめっきを施しました。
真鍮素材にスズめっきを施すと拡散浸透してしまう懸念があるため、スズめっきの前処理として銅めっきを行っています。
さらに、スズめっきは経年により変色しやすいため、後工程として変色防止処理を施しております。

純銅端子への光沢スズめっき
ネジ部を含む精密部品にスズめっきを施しました。
ネジ部にもめっきの膜厚が均一につくよう緻密な管理を行うとともに、スズ被膜は柔らかくキズがつきやすいため、梱包時の緩衝材の追加やトラック積載時のゴムシート使用など、輸送時にも細心の注意を払っております。
スズめっきなら旭鍍金工業所へお任せください!
①最大1,500mmサイズまでの光沢・半光沢・無光沢スズめっきに対応可能!
スズめっきというと、光沢スズめっき・無光沢スズめっきのほかに、両者の間をとった半光沢スズめっきというのもございます。当社は、光沢・半光沢・無光沢いずれにも対応可能でございます。
また、真鍮材料へのスズめっきで懸念される拡散浸透や経年変色への対策にも気を使っております。製品サイズは1,500×1,100×300(mm)まで対応可能です。
②見積・納期即日回答!大阪府内最速納期の自信あり!
長年にわたり多数の大手企業様にご支持いただいている理由は、弊社の対応スピードにあります。お問い合わせいただきましたら、見積・納期を、原則、即日回答いたします。数量や稼働状況にもよりますが、現物を頂いて翌日にはお渡しすることも可能です。
③膜厚計・マイクロスコープによる精度・品質保証
弊社は、蛍光X線膜厚計やキーエンスのデジタルマイクロスコープを保有しております。したがって、「精密部品のため、指定のめっき厚・合金比率を遵守しているか検査してほしい」というご要望にも、問題無く対応可能です。

投稿者プロフィール

- 株式会社旭鍍金工業所 代表取締役
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株式会社旭鍍金工業所は八尾市に工場を構え、メッキやアルマイトなどの各種表面処理を承っております。昭和22年の創業以来、各種表面処理にこだわり技術向上に努めてまいりました。
業務内容はニッケルめっき、装飾クロムめっき、3価クロムめっき、スズコバルトめっき、無電解ニッケルメッキ、硬質クロム、電着塗装、アルマイト、化成処理(サーテック650)、スズめっき、亜鉛めっき、3価ユニクロ、クロメートなど、表面処理全般にわたり、様々なニーズにお応えいたします。
スタッフ一同、皆様からのお問い合わせをお待ち申し上げております。
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