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スズ・コバルト合金めっきとは?特徴・用途からクロム代替としてのメリットを解説

近年、RoHS指令をはじめとする環境規制の厳格化により、「六価クロムめっき」から環境負荷の低い代替技術への切り替えを急ぐ企業が増加しています。
その中で、クロムめっきに酷似した美しい外観を持ち、特に小物部品の量産において絶大なメリットを発揮するのが「スズ・コバルト合金めっき(Sn-Coめっき)」です。

本記事では、大阪で長年めっき加工に携わる当社の知見をもとに、スズ・コバルト合金めっきの基礎知識から、クロム代替として採用するメリット、適した形状(深底形状など)、設計時の注意点までを技術者向けに分かりやすく解説します。

スズ・コバルト合金めっきとは?

現スズ・コバルト合金めっきとは、スズ(錫)とコバルトの合金を製品表面に析出させる電気めっき処理です。
最大の特徴は、クロムめっき特有の「青みを帯びた深みのある銀白色」を非常に高いレベルで再現できる点にあります。その外観の類似性から、表面処理の業界内では「代用クロム」とも呼ばれており、装飾性が求められる製品を中心に幅広く活用されています。

スズ・コバルト合金めっきの特徴【クロムめっき比較】

六価クロムめっきの代替として検討されるスズ・コバルト合金めっきですが、物理的な特性には明確な違いがあります。ここでは4つの視点から特徴を解説します。

深底の形状・袋穴への「つきまわり(均一電着性)」が高い

クロムめっきの最大の弱点は、均一電着性(つきまわり)の悪さにあります。複雑な形状や、奥まった「深底の形状」、袋穴の内部にはめっきがつきにくいという課題がありました。一方、スズ・コバルト合金めっきは非常に均一電着性に優れています。クロムめっきでは電気が届かず未析出になりがちな複雑形状・深底形状の製品に対しても、満遍なくめっきを乗せることが可能です。

バレルめっき(回転めっき)による大幅なコストダウンが可能

スズ・コバルト合金めっきは、ラックめっきとバレルめっきの両方に対応しています。特に、樽状の容器で一括処理を行う「バレルめっき」を選択できる点は大きなメリットです。これにより、ネジ、ワッシャー、小さな端子などの小物部品において、大幅なコストダウンと効率的な量産化を実現します。

環境規制(RoHS指令など)に対応

六価クロムのような有害物質を一切含まないため、RoHS指令やREACH規則といった厳しい欧州の環境規制もクリアできます。作業環境の安全性も高く、持続可能なモノづくりの観点からも推奨される処理です。

単体での耐食性・被膜硬度はクロムに劣る

硬質クロムめっき等と比較すると、スズコバルト被膜そのものの硬度や絶対的な耐食性はやや劣ります。
そのため、実用的な耐食性と強度を持たせるために、通常は下地に「ニッケルめっき」を施すのが一般的です。

スズ・コバルト合金めっきが活躍する用途・製品例

スズ・コバルト合金めっき|大阪めっき・アルマイトナビ

スズ・コバルト合金めっきは、単に「クロムめっきの代わり」としてだけでなく、特有の「深底へのつきまわり性の良さ」や「バレルめっきによる量産性」を最大限に活かし、多岐にわたる業界で採用されています。

特に、「クロムと同等の高級感のある外観が欲しいが、大幅にコストを抑えたい」「形状が複雑で、クロムめっきでは奥まで均一に乗らない」といった課題を抱えるケースで非常に重宝されます

■ 服飾金具・アパレル部品

アパレル向けの小物金具は、大量生産による圧倒的なコストダウンが求められます。スズ・コバルト合金めっきはバレル処理での一括大量加工が可能なため、コスト要件をクリアできます。

また、六価クロムを含まないため人体や環境への安全性が高く、深みのあるシルバーの色調がブランドの高級感を演出するのに最適です。

■ 弱電・電子部品

ダブルジンケートの手順は、一度ジンケート処理を行った後、硝酸などでその亜鉛膜をわざコネクタのシェルなど精密な電子部品は、小型かつ内部が入り組んだ複雑な形状をしています。

つきまわり性の悪いクロムめっきでは袋穴の奥までめっきを施すのが困難ですが、均一電着性に優れたスズ・コバルト合金めっきであれば、奥まった部分までムラなく美麗に仕上げることが可能です。RoHS指令に完全対応している点も、電子部品業界で必須の条件を満たしています。

■ 自動車部品

自動車業界における厳しい環境規制(ELV指令など)をクリアしつつ、車内インテリアに求められる「金属特有の重厚感・高級感」を付与できます。

絶対的な耐食性・耐候性が求められる過酷な屋外(外装)パーツには不向きですが、ダイヤルやスイッチ類、エアコン吹き出し口周辺の装飾など、複雑な形状が多い内装部品のクロム代替として幅広く普及しています。

■ 日用品・雑貨・光学機器

高級ボールペンの金属クリップやキャップ部分など、日常的に人の目に触れ、意匠性が重視されるパーツによく採用されます。

また、カメラなどの光学機器・趣味嗜好品においては、クロムめっきのギラギラとした青白い光沢に比べ、スズ・コバルト特有の少し落ち着いた深みのある色調(わずかに黒みを帯びたシルバー)が、製品にシックで洗練された印象を与える効果もあります。

スズ・コバルト合金めっきへ切り替える際のポイント

現在クロムめっきを採用しており、スズコバルトへの切り替えを検討している場合は、以下の点をご留意ください。

①用途の確認(装飾用途か、機能用途か)
耐摩耗性が厳しく要求される摺動部品(シリンダーやシャフトなど)には不向きです。あくまで「装飾用クロム」の代替としてお考えください。

②色調の事前確認
限りなくクロムに近い色調ですが、並べて比較するとわずかに暖かみ(または黒み)を感じる場合があります。既存部品と混在させる場合は、事前のサンプル試作をおすすめします。

③下地処理の最適化
素材(鉄、真鍮、銅など)に合わせた適切な前処理と下地めっき(銅めっきやニッケルめっき)が品質を左右します。

スズ・コバルト合金めっきなら旭鍍金工業所へお任せください

①最大1,450×1,050×300mmサイズまで対応可能なスズ・コバルト合金めっきラインを保有!

当社は、最大1,450×1,050×300mmサイズまでの大物・長尺部品に対応可能なスズ・コバルト合金めっきラインを保有しております。

スズ・コバルトいずれも環境負荷が低く、六価クロム・三価クロムの両方を含まないノンクロムの表面処理として支持されています。

②複雑形状部品の意匠性・装飾性を向上!

スズ・コバルト合金めっきは、つきまわり性に優れており、ニッケルクロムめっき(装飾クロムめっき)では難しい複雑形状部品の意匠性・装飾性向上が可能です。

ただし、クロムめっきよりは耐摩耗性が劣るため注意が必要です。

③見積・納期即日回答!大阪府内最速納期の自信あり!

長年にわたり多数の大手企業様にご支持いただいている理由は、当社の対応スピードにあります。お問い合わせいただきましたら、見積・納期を、原則、即日回答いたします。数量や稼働状況にもよりますが、現物を頂いて翌日にはお渡しすることも可能です。

④膜厚計・マイクロスコープによる精度・品質保証

弊社は、蛍光X線膜厚計やキーエンスのデジタルマイクロスコープを保有しております。したがって、「精密部品のため、指定のめっき厚・合金比率を遵守しているか検査してほしい」というご要望にも、問題無く対応可能です。

投稿者プロフィール

旭鍍金工業所 小林
旭鍍金工業所 小林株式会社旭鍍金工業所 代表取締役
株式会社旭鍍金工業所は八尾市に工場を構え、メッキやアルマイトなどの各種表面処理を承っております。昭和22年の創業以来、各種表面処理にこだわり技術向上に努めてまいりました。
業務内容はニッケルめっき、装飾クロムめっき、3価クロムめっき、スズコバルトめっき、無電解ニッケルメッキ、硬質クロム、電着塗装、アルマイト、化成処理(サーテック650)、スズめっき、亜鉛めっき、3価ユニクロ、クロメートなど、表面処理全般にわたり、様々なニーズにお応えいたします。
スタッフ一同、皆様からのお問い合わせをお待ち申し上げております。