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「大阪めっき・アルマイトナビ」は、大阪および近郊の加工業者様のために
表面処理に関する技術情報をまとめた専門技術Webサイトです。
「アルミニウム部品の耐久性を高めるためにアルマイト処理をしたいが、指定の色にするために上から塗装もしたい」
「アルマイトの上に塗装をしたことがあるが、すぐに剥がれてしまった」
製品開発や設計の現場で、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。結論から申し上げますと、アルマイト処理の上に塗装を行うことは可能であり、非常に有効な防食手段です。しかし、通常のアルマイト処理をそのまま施しただけでは、塗料が密着せず、後々のトラブルの原因となります。
今回は、アルマイトと塗装を組み合わせるメリットと、抑えておくべき「密着性を高めるためのポイント(封孔処理)」について詳しく解説します。
アルマイト処理については下記記事でも、紹介しておりますので、ご一読ください。
アルマイト処理(陽極酸化処理)のメリット・デメリット、原理、用途>>>
「アルマイト処理」とは?
塗装との相性を理解するために、まずはアルマイト処理の基本的な仕組みについて触れておきましょう。
アルマイト処理(陽極酸化処理)とは、アルミニウムを電解液に浸して通電し、アルミ表面に人工的な「酸化皮膜」を生成させる表面処理のことです。
メッキや塗装との違い
通常の「メッキ」や「塗装」は、素材の上に別の金属や樹脂を乗せる処理ですが、アルマイトはアルミニウムの素地そのものを化学反応で変化させて皮膜を作るため、素材との一体感が強く、非常に剥がれにくいのが特徴です。
表面にある無数の「孔」
アルマイト皮膜を顕微鏡レベルで見ると、「ポーラス層」と呼ばれるハニカム構造のような無数の微細な孔が開いています。実は、この孔が、今回のテーマである「塗装」との相性を決める重要な鍵を握っているのです。
アルマイトの上に塗装はできる?「複合皮膜」のメリット
アルマイト処理を施した上に、さらに塗装を行うことを専門用語で「複合皮膜」と呼びます。わざわざ2つの工程を重ねるのには、それだけの大きなメリットがあるからです。
高い耐食性
アルマイト単体でも高い耐食性を持ちますが、その上に塗装膜が乗ることで、酸性雨や塩害といった外部因子を二重にブロックします。海岸沿いの設備や屋外建材など、過酷な環境下で使用される製品において、複合皮膜は非常に高い信頼性を発揮します。
デザインの自由度と絶縁性
通常のアルマイト(カラーアルマイト)は染料で着色しますが、すべての色を再現できるわけではありません。
「企業ロゴの指定色に合わせたい」「パステルカラーにしたい」といった場合は、塗装を併用することでデザインの要求を満たすことができます。また、アルマイトと塗装の双方が絶縁体であるため、より高い電気絶縁性が必要な場合にも有効です。
塗装の密着性を高めるポイント
「アルマイト処理」を行った製品にそのまま塗装をすると、塗料は非常に剥がれやすくなります。なぜなら、通常のアルマイト工程には、最後に「封孔処理」が含まれているからです。
塗装が剥がれる原因は「封孔処理」
封孔処理とは、アルマイト表面に開いている無数の孔を、蒸気や沸騰水でふさいでしまう処理です。これにより耐食性や耐汚染性を高めるのですが、表面がツルツルに滑らかになってしまうため、塗料が食いつきにくくなってしまうのです。
塗装下地なら「封孔処理なし」を指定する
塗装の密着性を高めるためには、あえて「封孔処理をしない」ことが重要です。孔が開いたままの状態であれば、塗料がその孔の中に入り込んで固まります。これを「アンカー効果」と呼び、物理的に強力な密着力を生み出します。
もし、アルマイト後に塗装を予定されている場合は、ご依頼時に「塗装の下地として使用するため、封孔処理は不要(または要相談)」とお伝えすると良いでしょう。この一言があるだけで、後の塗装工程の品質が劇的に変わります。
「塗装」にするか「カラーアルマイト」にするか?
「色をつけたい」という目的であれば、必ずしも塗装である必要はないかもしれません。「カラーアルマイト」と比較して、どちらが適しているか検討してみましょう。
塗装がおすすめなケース
■厳密な色指定がある場合
日本塗料工業会の色見本などに完全に一致させる必要がある。
■隠蔽性が必要な場合
アルミ素材の傷や溶接痕を隠したい場合(アルマイトは透明感があるため、素地の傷が透けて見えます)。
カラーアルマイトがおすすめなケース
■剥がれリスクをゼロにしたい
カラーアルマイトは、微細孔の中に染料を染み込ませてから封孔して閉じ込めるため、塗装のように「剥がれる」という概念がありません。
■金属の質感を活かしたい
アルミ特有の高級感や光沢(またはマット感)を残したい場合はアルマイトが最適です。
■コストと納期を抑えたい
「アルマイト業者」と「塗装業者」の2社に出す横持ち輸送の手間やコストを削減し、弊社の1工程だけで完結できます。
大阪めっき・アルマイトナビのアルマイト処理事例

①船舶向け大型アルミヒートシンクへのアルマイト処理
船舶の熱交換器として使用される、複雑なフィン形状を持つ大型ヒートシンク(A6063)へのアルマイト処理事例です。 先端や溝の奥まで均一な膜厚を確保し、過酷な環境下でも耐えうる高品質な表面処理を実現しました。

②消火器バルブへのアルマイト電着塗装
アルミダイカスト製の消火器バルブに対し、アルマイト処理と電着塗装(カチオン電着)を重ねることで、船舶用など高い耐食性が求められる基準をクリアしました。 弊社ではアルマイトと電着塗装の両ラインを保有しており、難易度の高いダイカストへの一貫処理も可能です。
アルマイト処理(+塗装)なら当社にお任せください!
①最大1,800mmサイズまでのアルミ鋳物・純アルミ・アルミ合金に対応!
当社は、A1100のような純アルミやA5052、A5056に加え、ダイカスト・砂型鋳造品といったアルミ鋳物へのアルマイト処理も得意としております。前処理工程を工夫することにより、シリコン含有量が多くアルマイトが付きにくいADC12にも問題無く対応可能です。
対応可能な製品寸法は「1800mm × 700mm」で、重量は20kgまで対応可能です。
②見積・納期即日回答!大阪府内最速納期の自信あり!
長年にわたり多数の大手企業様にご支持いただいている理由は、当社の対応スピードにあります。お問い合わせいただきましたら、見積・納期を、原則、即日回答いたします。数量や稼働状況にもよりますが、現物を頂いて翌日にはお渡しすることも可能です。
③膜厚計・マイクロスコープによる適切な「膜厚」と「封孔」の管理
当社は、蛍光X線膜厚計やキーエンスのデジタルマイクロスコープを保有しております。したがって、「精密部品のため、指定のめっき厚・合金比率を遵守しているか検査してほしい」というご要望にも、問題無く対応可能です。
